不動産投資調査の#REIBOXが『中古マンション投資で物件購入後に大損したくない!』と懸念されている方に向けて「購入前に抑えておくべき中古マンション選びの注意点」について解説します。

本記事をお読みいただくことで質の悪い中古マンション投資物件を避ける方法がわかりますよ。

購入後に起こりやすい中古マンション投資における注意点

  1. 瑕疵担保責任の期間
  2. 内覧が出来ない物件
  3. 古い設備
  4. 旧耐震基準の物件

1.修繕費が増えてキャッシュフローが乏しく安定しない不動産投資になる

ボロ物件を購入すると、初期費用は割安と感じた物件でも購入した直後に大規模修繕費用が掛かりトータルで金銭的メリットを感じない物件になることも有ります。

2.瑕疵担保責任の期間が短い

中古マンションの瑕疵担保責任は宅地建物取引業者が自ら売主となる場合は引渡しの日から2年間となります。新築は10年の瑕疵担保責任があるため、比較すると中古マンションは瑕疵担保責任の期間が短いことを覚えておきましょう。(仲介業者に依頼した場合の瑕疵担保責任は3ヶ月が多いです)

出典:宅地建物取引業法|「行政手続のオンライン利用の推進」(総務省)最新・宅地建物取引業法 法令集|一般財団法人不動産適正取引推進機構

瑕疵担保責任とは?

マンションなどの建築物を購入・建築した売主・施工者は物件の瑕疵(欠陥)が見つかった場合、無償で補修工事を行う・賠償責任を負うことを瑕疵担保責任と言います。なお、瑕疵担保責任の期間以降に瑕疵(欠陥)が見つかった場合は新たな物件オーナーが自身で補修工事を行うことになります。

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REIBOX編集部
中古マンション投資は瑕疵担保責任の期間は法令上定められているため、2年以内に壊れやすい状態か?を内覧して確認しておきましょう。

3.購入価格が安く、利回りが高いだけで賃貸需要が無いエリアの物件を購入してしまう

賃貸需要が見込めないエリアの物件は空室続きの赤字物件になります。特に、販売価格が安い・利回りが相場よりも高い、物件に多い傾向です。値段や利回りも重要ですが、空室になりにくい賃貸需要があるエリアかどうか?を優先して確認してください。

利回り計算は必ず「実質利回り」ベースで!

不動産投資の表面利回りと実質利回りとの違い」の記事でも書きましたが、利回り計算は実質利回りベースで行わないと購入後にキャッシュフローが大きくズレます。

不動産投資のシミュレーションをエクセルで確認!利回りが良ければ融資まで検討しよう」の記事を参考にすればご自身で実質利回りシミュレーションが出来るのでぜひお試しください。

4.事前の資金計画の見通しが甘いのでリスクの高い不動産投資になる

マンション購入時は物件価格の2~3割を頭金として用意した方が安定したキャッシュフローになりやすいです。用意できる自己資金が少なすぎると、万が一の時に対応できずリスクの高い不動産投資になってしまいます。

また、融資はその人の勤続年数も見てきます。転職して勤続年数がリセットされると評価に影響するため、転職予定の方は転職前にローンを組んだ方が有利な条件で借り入れができます。

5.内覧が出来ず、購入後に問題が多数発覚する

オーナーチェンジ物件の場合
すでに入居者がいるので専有部分の内覧などができない場合が多く、瑕疵やリスクを把握するのが困難。
競売物件の場合
競売物件は内覧ができないのでボロ物件に当たると修繕・リフォーム代が増える
一棟マンションの場合
各部屋ごとに管理会社がバラバラのため、1棟全ての入居者管理が困難。風俗業者の無許可営業や反社会的勢力の入居が混じっていた場合、一棟すべての資産価値が下がる

6.周辺環境が悪化することで利回りが急激に低下してしまう

物件周辺環境が変化し(大学の移転=学生需要が失われる、会社の移転=会社員需要が失われる、など)賃貸需要が無くなると入居者集めが困難になり空室物件となります。

7.新耐震基準に達していない物件(旧耐震基準)を選んでしまう

旧耐震基準の物件の場合、現状の地震対策への安全性が満たされていない物件になります。安全面から入居者が集まりにくくなりますので、安いからと新耐震基準を満たさない中古物件を購入しないよう注意しましょう。

【重要】中古マンション投資で抑えるべき物件の選定基準

  • 築10~15年以降の物件を中心に探す
  • 東京23区内で駅から徒歩7分以内の物件なら賃貸需要が見込める
  • 内覧可能な物件を選ぶ
  • 周辺環境の都市計画を事前に確認する
  • 新耐震基準の物件を選ぶ
  • 設備デザインはシンプルで普遍的なタイプを優先する
  • 災害リスク対策としてハザードマップを確認する
  • 【参考】外国人も可能な物件も視野に入れる

✅ 築10~15年以降の物件を中心に探す

築10年以降からは家賃の下落幅が落ち着くため安定したキャッシュフローが計算できます。かといって築30年以上だと修繕費が利回りを圧迫します。よって、物件価格や家賃の下落幅および修繕による支出がまだ少ない期間である築10~15年前後の物件がねらい目です。

参考出典: 不動産マーケット情報|三井住友トラスト不動産三井住友トラスト基礎研究所のレポート(PDF)

✅ 東京23区内で駅から徒歩7分以内の物件なら賃貸需要が見込める

景気変動に強い手堅い投資用物件を選ぶ基準」でも書きましたが、東京は今後も人口が増加が予想されています。

東京23区内で駅から徒歩7分以内(悪くても10分以内)・部屋から駅に向かう過程で生活圏(コンビニ・病院・学校・スーパー、などがある)が整っている物件、を選びましょう。賃貸需要が見込めるエリアのため安定した家賃収入を確保しやすいです。

✅ 内覧可能な物件を選ぶ

物件の状態を確認するためにも必ず内覧してください。「競売物件で中身がわからず住民トラブルを起こす先住民がいる」のケースを除いて基本的に中古マンションは内覧が可能です。

✅ 周辺環境の都市計画を事前に確認する

「周辺環境が悪化することで利回りが急激に低下」の内容を踏まえ、事前に今後の都市計画について確認しておきましょう。確認後、大きな影響を受けそうな計画がある場合は一旦検討を控えた方が良いでしょう。

都市計画の調べ方

各市区町村のホームページ内で「都市計画」と検索するとすぐに確認ができます。

例えば神奈川県川崎市の場合、「都市計画マスタープランについて」と出てきます。「川崎市都市計画マスタープラン全体構想」という概要を記したPDFのまとめページがあり確認できます。

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REIBOX編集部
もっと良い方法が無いか?と国土交通省にも直接確認しましたが、やはり「市のホームページを見てください」とのことでした。

✅ 新耐震基準の物件を選ぶ

新耐震基準に対応した物件を選びましょう。1981年6月以降に建築確認申請が出されて建築された建物が新耐震基準となります。

耐震基準と被害影響の関係

耐震基準を満たしているかどうかで地震災害時に受ける被害の影響は大きく異なります。 (参考:阪神淡路大震災による建物等に係る被害(PDF)|国土交通省

✅ 設備デザインはシンプルで普遍的なタイプを優先する

設備やデザインが古い入居希望者を募集しても敬遠されやすくなります。時代によってデザインの良し悪しは変わるので、どんな時代でも極力抵抗の少ない癖のないデザイン・設備を要した物件を選びましょう。

✅ 災害リスク対策としてハザードマップを確認する

昨今の日本では台風・津波などの水害、地震などの災害があります。避けては通れませんが、いざ災害が起こったときに被害影響が少ないエリアの物件を優先的に選んでください。

ハザードマップは各自治体が公開しており、「ハザードマップ ○○市」などで検索知れば市区町村のハザードマップページが確認できますよ。

✅ 【参考】外国人も可能な物件も視野に入れる

近年では外国人居住者も増加しているため訪日する外国人向けとなる物件も選択肢に入れた方が投資チャンスが増えます。外国人は~、と敬遠することなく可能な限り受け入れ可能な物件を検討してみてください。

あらかじめ注意点を押さえればメリットが多いのが中古マンション投資

条件を満たし、自分の投資目的に見合った物件であれば中古マンション投資ほど手堅い投資はありません。「必要な金額が新築より大幅に少ない(融資額を抑えることが出来る)」「利回りが良いので条件を満たした物件なら回収が早いため現金を手元にストックしやすい」など、ご自身の資産となってくれます。

条件を満たす物件を見つけたら各金融機関へ相談に行こう

融資先の各金融機関にアプローチしましょう。詳しくは【 「不動産投資のシミュレーションをエクセルで確認!利回りが良ければ融資まで検討しよう」の『物件が目標の収支シミュレーションになったら融資先を開拓しよう』の項目 】をご参考ください。

なお、不動産投資会社経由の物件であればすぐに確保に動いてもらい融資相談を始めた方が良いです。魅力的な物件は早い者勝ちなので他の方に先を越されないようにご注意ください。

事前の調査が成否を握る/まとめ

中古マンション投資は事前の調査が成否を握ります。多少手までもこれから中長期にわたって管理するマンション物件です。ご自身で納得できるまで吟味に吟味を重ねて検討しましょう。

『どうしても自分では調査やプランニングが難しい!』という方は中古マンション投資会社に相談してみてくださいね。