この記事を読めば借金に対して必要以上に感じすぎている恐怖・誤解を減らすことができます。

不動産投資調査の#REIBOXが、マンション経営で失敗したらどうなるか?心配している方に向け、「借金を背負った際の実際の動き」について解説します。

※ドラマのような借金取りが出てくることはほぼ有りませんのでご安心の元でお読みくださいね。

【結論】マンション経営で失敗したら借金地獄で路頭に迷うわけじゃない

  • 仮にローン返済ができない状態になっても取り立て屋は来ない
  • 失敗して借金を背負った後の基本的な流れを解説

✅ 仮にローン返済ができない状態になっても取り立て屋は来ない

「不動産投資で失敗したら借金取りが押し寄せて借金地獄!最悪の場合は命の危険が~、」ということにはなりません!

【参考データ】自己破産する人は2.1%(個人の場合)

厳密な“不動産投資における破産数(割合)” という統計データはないものの、近年一番に悪影響の高い不動産投資における問題となったスルガ銀行を例にして考えると破産した人の割合(2016年)は0.21%。(参考出典:金融再生法開示債権詳細|スルガ銀行問題

大損や破産のイメージがつきまとう不動産投資ですが、おそらくは思っていたイメージよりは少ないと言えるのではないかと思われます。

✅ 失敗して借金を背負った後の基本的な流れを解説

a,ローン返済不能になったら金融機関から問い合わせが届く

家賃収入が無くなりローン返済が滞るようになると金融機関から問い合わせが来るようになります。問合せを無視して三ヶ月ほど支払いが延滞されると金融機関側からすると『貸し倒れの懸念』が強まるため、資金を回収できないことを前提に動き始めるようになります。

本当に返済が難しい場合

本当に返済が難しい場合、資金繰りが困難になった時点で銀行に対して融資条件の緩和の相談を行ってください。融資年数を伸ばしたり、金利引き下げの交渉をするのがクリーンな対応です。

ノンバンクや大規模銀行は淡々と事務処理的に進めますが、地域密着型の信用金庫や信用組合は地域での評判が悪くなることを気にするので柔軟な対応をしてくれることも有ります。

b,競売か任意売却になります

滞納から1~3か月で督促状が届き、それでも支払えない場合「任意売却」か「競売」に分かれます。

競売

競売になると「信用情報に記録される」「売却価格は相場以下になる」ため、今後のお金の借り入れに影響が出るだけでなく、売却価格が少ないことで残りの借金も多額になります。

任意売却

任意売却は「ローン完済はできないが特例として特別に抵当権を抹消してください」という状態です。

競売時と同様に「信用情報に記録される」のですが、「競売と比べて相場通りに売却できる可能性が高まる」ため、残りの借金の負担も減らすことができます。

✅ 借金返済の流れ・パターン

a,手元にあるキャッシュを正確に確認して返済

ローン返済不能になったらまずは手元にいくらキャッシュがあるのか?を正確に把握してください。把握した金額を元に返済の算段を付けましょう。

銀行から借りていた場合」「個人的なつながりで借りていた場合」「闇金などから借りていた場合」など、借りた先がどこか?によって対応が異なります。

なお、返済の優先順位は「個人的なつながり(小口の個人・企業) → 銀行」の順番です。

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REIBOX編集部
誤解の無いように書いておきますが返済は義務ですので個人も銀行もどちらが優先順位が高いか?という議論は本来はありません。その為、いまから書く内容は多少の感情論を含めてのお話になります。
個人的なつながり(小口の個人・企業)で借りていた場合

アナタを信用して貸しているので対応をないがしろにすると信用問題になります。最悪の場合は一生付き合いが無くなります。信用を作るのは時間がかかりますが無くすのは一瞬です。

また、多少なりとも無理して出してくれた人もいるでしょうからその人の生活が困窮してしまう可能性もあるため、借金した本人と貸した方が共倒れになることも有ります。よって、小口の個人・法人(知り合い)を最優先に返済してきましょう。

加えて、ないがしろな対応をすると相手方の性格によってはなりふり構わず回収して大きなトラブルになる可能性も0とは言えません。(中には腹を立てて感情的に迫ってくる人が居ないとは言えませんので)

ご自身の身を守るためにもダメならダメだったと素直に且つ一番先に伝えてください。

銀行から借りていた場合

怖い人に追い立てられる!などはありません。あなたに問い合わせが届き、返済が困難とわかれば融資条件の緩和を相談することになります。(融資年数の引き延ばしや金利の引き下げなど)

銀行の場合、初めから一定の確率で融資資金が回収できないことも計算に入れています。不良債権が回収できないと困ることは間違いありませんが、銀行の貸し倒れ比率は2%前後が多く融資先の倒産や破産はよくあることでもあります。

また、債権回収ができなくとも担当した銀行員が困窮することはありません。(仕事上の評価は下がるでしょうが、生死にかかわる問題が起こることはありませんので)

闇金などから借りていた場合

この場合に限り、怖い人に追い立てられる!かもしれません。こればかりは予測が立てられないのでそもそもグレーなところから借りるのだけは控えてください。

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REIBOX編集部
闇金で行うのはよっぽどのことなのでほぼあり得ませんけどね。笑

人としての信用・万が一のトラブルへのリスクヘッジなどを考えると順番としては「個人的なつながり(小口の個人・企業) → 銀行」と考えた方が賢明と言えます。

【参考】銀行は債権回収会社(サービサー)に不動産を売却する

債権回収会社(サービサー)とは、金融機関等から委託を受けまたは譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行う法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門業者です。

サービサーとは | 一般のみなさま | 一般社団法人 全国サービサー協会

銀行が回収不可能になった借金は不良債権として債権回収会社(サービサー)に格安で売却されます。(不動産は現物資産があるために債権回収会社としてはある程度の回収益が見込めるためサービサーが購入してくれる。)

b,税金の支払い対応を優先的に進める

仮に自己破産しても税金は免責になりません。ローンや借金は自己破産によって支払いを免れることが出来ますが税金は対象外。そういう意味では税務署という存在はホントに恐ろしいものです。

なお、税金は免責にはなりませんが5年経てば時効になります。ただし、免責になるまで5年間も所得0で過ごすのは時間の無駄でしかありません。そのため、残ったキャッシュで納税して自己破産をした方が再起を図るには賢明な選択肢と言えるでしょう。

あらかじめ知っておきたい、自己破産して再起不能なほど大失敗になりやすいケース

  1. 他人任せ過ぎるパターン
  2. 身の丈を超えた借金を最初から背負っているパターン
  3. 出口戦略が無いパターン

1.他人任せ過ぎるパターン

実務は管理会社に委託しても良いですが、現状の問題点・出口戦略・次の投資戦略・横のつながりづくり、などは自身の問題。実務面以外まで他人任せにする方は大きく失敗しやすいので注意。

2.身の丈を超えた借金を最初から背負っているパターン

レバレッジを効かせようと身の丈を超えた借金を抱え過ぎると金利変動の際にあおりを受けてローン返済が滞る原因になります。金利変動があっても耐えられる範疇の融資額の設定、もしくは一定期間耐えられるだけの自己資金を用意しておきましょう。

自己資金0で始めない

フルローンで不動産投資を始めることも可能ですがリスクに弱い投資になります。必ず自己資金(目安として物件の2割)を用意してください。

3.出口戦略が無いパターン

出口戦略が無いまま保有するとトラブル(※)を抱える原因になります。物件を最終的にはどうするか?(持ち続ける?売却?)が出口戦略。出口戦略まで設定し、最終体に黒字になれば不動産投資は成功です。

(※)なにかしら運営が難しくなった際に、いざ売却してもローン返済が間に合わない・赤字物件で早く処理したいのにそもそも物件が売れない、など。

事前に売却までのシミュレーションは行っておきましょう。

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REIBOX編集部
言い換えれば、これらを事前に抑えておけば大失敗になりません。

【参考】他の人の不動産投資の失敗談を知ることは自分の投資へのリスクヘッジになる

私の場合、人口が少ない郊外で物件を持って空室が続き、失敗しました。
不動産投資の失敗談が聞きたいのであれば、
不動産投資セミナーがおすすめですよ。

Yahoo!知恵袋

親が不動産投資に失敗して2000万の借金をしてしまいました。

Yahoo!知恵袋

ワンルームマンションを購入。洗濯機置き場がなかった。入居者はコインランドリー利用のようですが。

Yahoo!知恵袋

私ではないが、私の友人の話。
田舎に住んでいるのだが、少々資金を持っていたようで、
不動産屋の口車に乗って、首都圏に賃貸用ワンルームを3部屋所有。
そのうち現在入居されているのは1部屋だけ。
あと2部屋分のローンは、全て持ち出し…..
1ルームマンション1部屋から上がってくる収益って微々たる物だし….
頭金を払ったとはいえ、ローンも多額。

Yahoo!知恵袋

アパート経営。入居者埋まらず、借金返してます。

Yahoo!知恵袋

初めて購入した物件で、
購入時満室だったのですが、
ある企業の撤退で
半年後に全室空室になりました。。

Yahoo!知恵袋
不動産投資に失敗した方の体験談ブログ【参考例】


不動産投資で地獄を見たブログ

アパート、マンションに投資したあげくに失敗し、地獄を見た(見ている?)サラリーマン大家さんのブログ。

こちらの方の場合、予想もしなかった空室トラブルや退去連絡に悩む日々などリアルにつづられております。

もっと詳しく!『不動産投資体験者のブログ』
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REIBOX編集部
「人の振り見て我が振り直せ」ということです。あらかじめ知ることが出来る失敗談は、これから始める人にとって非常に有益な“生きた”情報となります。

不動産投資における失敗の考え方・定義は必ず押さえよう

  • 失敗の考え方や投資の定義をおさらい
  • 必要な借金もあります
  • 一時的に赤字になることもあります

失敗の考え方や投資の定義をおさらい

失敗の考え方・定義

支払った金額(物件購入+ランニングコスト各種)に対して最終的な累計リターン(毎月の家賃収入+売却益)が赤字になった場合

本記事ではこちらが不動産投資における失敗と位置付けた上で解説させていただきます。

加えて、投資である以上は投じた資本以上の収益が出てこそ投資である」という考え方の元、本記事でお伝えしています。

投資

主に経済において、将来的に資本を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す。

ウィキペディア

必要な借金もあります

不動産投資物件は高額です。初めから全額現金で購入できる方は少なく、基本的には不動産投資ローンを借り、レバレッジを効かせて投資収益(家賃収入)を得ながらローン返済を行うことになります。

一時的に赤字になることもあります

一時的に赤字になることがあります(主に空室や修繕費など)。ただしトータルで見て黒字になれば成功のため、一時的な赤字=失敗という考えは正しくありません。

身銭を切って取り組んでいる以上、不安になる気持ちはわかります。ですが、一般企業を見ていただければわかるように永遠に黒字・右肩上がり会社なんてほぼ有りえません。

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REIBOX編集部
あのTOYOTAだって赤字になります。目的有る不動産投資では一時的に赤字になるのは決して間違ったことではありません。

【必見!】借金地獄にならないよう、事前に抑えておくべきABC

  1. 見通しの甘さを無くすための事前のシミュレーション
  2. 立地条件を抑える
  3. 小さく始めて大きく育てる

A,見通しの甘さを無くすための事前のシミュレーション

空室・家賃滞納・家賃下落・金利上昇・災害・税金・出口戦略など、不動産投資で起こりうる支払いリスクは予めシミュレーションを行った上で資産となる投資対象物件を選定してください。

B,立地条件を抑える

家賃収入で失敗してしまう事例を挙げた記事でも紹介しましたが、賃貸需要の有る地域(=空室リスクが少なく不動産投資が成功しやすい)を物件の候補に選びましょう。

2060年までの東京の人口推計

単独世帯の割合が上昇し、夫婦と子供から成る世帯の割合は低下

東京都政策企画局

統計からもわかるように東京は単身者割合が今後も増加傾向。つまり、単身者の需要が見込めるエリアということです。

賃貸需要がある地域のイメージ

ただし、東京の物件でも23区外の物件・23区内でも駅から徒歩15分以上離れている物件などを選ぶと東京と言えども不動産投資が失敗しやすいため「23区内で駅徒歩10分(理想は7分)圏内のワンルーム物件」を選定対象にしてください。

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REIBOX編集部
人が住みやすい生活圏(駅まで徒歩10分以内、スーパー・コンビニ・医者などが周囲にある、など)であるか?が重要です。

C,小さく始めて大きく育てる

最初から無理することなく「小さく始めて大きく育てる」という思考で不動産投資を始めましょう。抑えておくべきは以下3つの要点です。

1.価格が安く高い投資効率が見込める中古物件
動産の中でも最小単位の物件ですので小さく始められます。
2.多額な借入の必要のない区分マンション(ワンルーム)
割高な東京圏の物件でも中古マンションなら1棟アパートと比較して10分の1程度の価格で購入できます。
3.東京圏の賃貸需要が安定しているエリア
空室リスクが低いので安定した家賃収入が見込めます。
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REIBOX編集部
細かく言えばキリがありませんが主にこれらを抑えて不動産投資へ取り組みましょう。より詳しくは下記の記事をご参照ください。
ワンポイントリスクヘッジ対策

破産する投資家は当面の生活資金が必要になるため『優先的に売買契約を進めるかわりに売買金額のほかに現金300万円をください』などと交渉をする人もいます。どれほど高値で自分の物件が売れようとも破産した個人にお金は入ってこないため売買金額に含めない別口金額としてこのような要求をもちかけるわけです。

別口金額が用意出来れば破産は避けられなくとも当面の生活費に困窮することは無くなります。これも破産時のリスクヘッジの1つと言えるでしょう。

まとめ

  • 借金しても取り立て屋は来ない
  • 物件選びで失敗する際の傾向を理解する
  • 失敗事例から学ぶ
  • 失敗の考え方・定義を理解する