入居希望者が多い人気のタワーマンション。ですが、不動産投資として考えた時にタワーマンション投資には魅力があるのか?は別です。

そこで、本記事では「タワーマンションは投資対象として良いのか悪いのか?」「タワーマンション投資のメリットとデメリット」についてお伝えします。

先に結論!

・一般的なタワーマンションは投資としての魅力は薄い
・やるなら利回りの良いものを必ず厳選すること
・資産形成を第一に考えるならタワーマンション投資に固執する必要なし

不動産投資でタワーマンションを選ぶときの抑えるべき5つの条件

  1. 売り出しが少ない
  2. 都心で駅近くの好立地
  3. 角部屋
  4. 表面利回りが6%以上
  5. 30階以上で景観が良い

これら5つのポイントは必ず押さえておきましょう。

1.売り出しが少ない

売り出しが少ないということは「住みやすい」「価格比が起こりにくい」「値下がりしにくい」ことが考えられるので資産価値の高い物件と考えられます。

2.都心で駅近くの好物件

駅徒歩5分以内をベースに、都内なら渋谷区、港区、江東区。大阪なら難波、梅田周辺、名古屋なら栄、京都なら四条烏丸近辺などが好物件。

3.角部屋

タワーマンションに限らず角部屋は人気。 窓があり、中部屋と比べて日当たりが良く隣人の生活音も気になりにくいなどが人気の理由。

4.表面利回りが6%以上

少なすぎても返済までが厳しいので表面利回り6%以上の物件を目安にしましょう。毎月のキャッシュフローをプラスにできます。

利回り計算例

【購入条件】
・購入価格5000万円
・表面利回り6%
・頭金ゼロのフルローン(金利0.5%)
・返済期間35年

(キャッシュフロー計算式)
家賃収入300万円-年間のローン返済額156万円+管理費・修繕積立金80万円=64万円

64万円あれば所得税などの経費を差し引いてもプラスになるので負担なく経営できます。

5.30階以上で景観が良い

低階層よりも高階層の方が資産価値や賃貸需要が高く、目安として30階以上の部屋が推奨。なお、景観の問題から周囲にタワーマンションが乱立していない、もしくは今後開発予定がない物件を選びましょう。

都市の再開発予定区域

再開発予定に関する情報は不動産会社や市役所に問い合わせて確認できますので購入検討前は必ず事前確認をしてください。

低階層と高階層の違い
価格・賃料
平米あたりの価格と賃料は低層階と比べて高層階のほうが1.5倍前後の差があります。
ターゲット層
低層階はタワーマンションの利便性や共用施設を利用したい住居用として購入する人が多い一方、高層階はセカンドハウス、相続対策、投資目的として購入する人が多い
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REIBOX編集部
他にも別荘の代わり・書斎・愛人用など、一般的なマンションと比べてタワーマンションはターゲット層が異なります。どういったターゲット層に向けて届けるのか?事前の選定がキーポイント。

その他

a,エリアによってはワンルーム

東京は単身世帯が増加しているのでファミリータイプよりもワンルームのほうが需要が見込めます。また、ファミリータイプのタワーマンションは一戸あたり数千万円~数億円するのでコスト面を抑えて始めるならワンルームの方が良いです。

東京の人口

参考:平成27年国勢調査

東京都の平成27年国税調査によると平成22年より242187世帯増加して3164675世帯と一般世帯に占める割合は47.39%に上昇しています。

b,2017年前後で投資目的が異なる

固定資産税の課税制度が見直される以前の2017年内の引き渡しなら、タワーマンションの高層階は実際の市場価格よりも低い評価となるので高い節税効果が期待できます。一方、2018年以降に完成・引き渡しとなる新築のタワーマンションは節税効果を小さくするための税制改正が行われた節税効果の恩恵を受けられません。

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REIBOX編集部
ただし、中古の築浅タワーマンションであれば税制改正前の課税制度が適用されるので高い節税効果を受けられます。

さらに、節税効果が薄れた新築タワーマンションから中古タワーマンションに投資家の需要が流れることにより、市場価格が上昇して売却益を得られる可能性もあります。

タワーマンションとは?

一般的に20階建て以上、高さ60m以上の建物のことをタワーマンションと呼ぶことが多いです。ただし、呼び方には明確なルールはないので周りの建物と比較したときに目立つ高層マンションのことをタワーマンションと呼ぶこともあります。

マンション投資としての回収は悪い

タワーマンションの概要・相場

都心部の人気タワーマンションの平均利回りは2~3%。(区域やブランドによっては利回り5~7%の物件もあります。)

なお、タワーマンションの平均賃料はグレードや階級によって大きく異なりますが平米あたり3000円~5000円程。

一般的なイメージとしては都心のタワーマンションで購入価格9000万円、75㎡で賃料30万円、管理費・修繕積立金2.5万円、表面利回り2.5%となります。

条件を満たしたタワーマンションであれば資産性が高いので不動産投資をする価値があります。そうでなければ、一般相場としてのタワーマンションは一般的なマンション投資に比べると投資対象としては魅力は薄いです。

タワーマンション投資で失敗しないために

5つの投資条件を満たさなければ無理せずタワーマンション投資から手を引き、一般的な新築・中古のマンション投資に切り替えた方が良いです。

資産形成の観点からすればタワーマンション投資にこだわる必要はありません。

タワーマンション投資を行う場合、利益が確保できる十分な利回りがあることは事前に確認した上で取り組んでください。

利回り重視の不動産投資を考えるなら

利回り重視の不動産投資を検討するなら、一般的な中古マンション投資の方が効果的です。詳しくは下記記事も併せてご参照ください。

タワーマンション投資のメリットは資産価値の高さ

タワーマンションは設備・利便性が良く人気も高いので家賃を高く設定できる資産価値の高い物件。また、人気の高い都市部に建てられるタワーマンションは資産価値が大きく低下しにくく、出口戦略(売却)が立てやすい。

資産価値を上げる具体例
夜景・眺望が良い
住むだけで味わえる魅力・眺望の良さは需要の要因となり投資価値を高める。
共用施設の充実
フィットネスルームやスポーツジム、プール、ゴルフ練習場、バー付きのラウンジや子供の自習室、生活用品の調達などなど入居者のみに提供される。
セキュリティ
エントランスやエレベーターの操作には鍵が必要としており、共用施設や自室のある階には入れない設計になっているので、高いセキュリティは入居者にもメリットになり物件価値を高める。
駅直結・複合施設
最近のタワーマンションは駅前築の再開発とともに併設されているのでエントランスから地下鉄の出口まで直接行ける物件も多く、また大型のショッピングモールやコンビニも併設されるなど利便性の高さも資産価値を高めている。
売却しやすい(出口戦略が立てやすい)
タワーマンションの入居者は生活水準が高く入居者としての質も高い傾向にあるので、建物が劣化しにくいことも売却しやすい要因に。中には人気物件だと購入価格が1億を超えるものもあります。
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REIBOX編集部
不動産投資における出口戦略(売却)の重要性については「不動産投資で売れない時のリスクと、投資マンション購入前に抑えておくべき条件」をご参照くださいね。

タワーマンション投資のデメリットは金銭的負担

設備・利便性が良い反面、それだけ多くの金額が発生するため金銭的負担が大きいのが一番のデメリット。加えて、階層によって増税も影響してきます。

金銭的な負担の具体例
初期費用(購入費用)
タワーマンションは都心部で駅周辺の人気エリアに建設され、且つ内装や設備も充実しているために一般的なマンションよりも高額です。
管理費・修繕費
管理費・修繕費が他のマンションより高額、つまり一般的なマンション投資と比べてランニングコストが掛かります。(その分、利回りが減りやすい)。例えばエレベーターなどの設備を維持するためのメンテナンス費用は規模が大きいタワーマンションではより高額になります。
高層階になるほど増税対象
以前はタワーマンション全体の占有面積に対して固定資産税が課せられていたこともあり節税対策として投資家に人気でしたが、現在は固定資産税の見直しによって節税効果は薄れています。

\高層マンションにおける固定資産税の課税対象/

 

  • マンション全体に対する固定資産税評価額は据え置き
  • 地上60m以上、及び複数階に住宅がある高層マンション
  • 真ん中の階層を中心として1階層上がるごとに0.26%の増税、1階下がるごとに0.26%の減税
  • 天井高、付帯設備など他の階層と比べて著しい場合はさらに補正する

 

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REIBOX編集部
なお、投資とは別に住居することへのデメリットとしては眺望はすぐ飽きやすい・共用施設はあまり使わない・マンションから出るまでに時間がかかりすぎる・高層階は電波が届きにくい、などがあります。

まとめ

資産価値が高く、大きな金額での出口戦略が計算しやすい一方で、費用(初期・継続費共に)が大きいので金額を用意できる人向けに限られます。

選択肢の1つとはなりますが、参入が難しそうなら一般的な新築・中古のマンション投資でも十分に資産形成はできますので、タワーマンション投資に固執しすぎる必要はありません。

他の不動産投資も選択肢に入れたい方へ

タワーマンション投資のハードルが高い、思ったよりも魅力を感じなかった、という方は新築・中古の一般的マンション投資にも目線を広げてみましょう。詳しくは下記記事をご参照ください。

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