不動産投資の勉強をしてるけれど「何から手を付けていいかわからない」「独学で勉強してると間違っていないか心配」という方に向けて抑えておくべき基礎知識をまとめて開設しています。
本記事を読んでいただくことで「何から手を付けていいかわからない」「変な業者に騙されたくない・損をしたくない」という心配を減らすことができます。
「これから不動産投資を始めよう」という段階の方にとっては投資スクールや不動産投資コンサルは要りません。勉強会やセミナーに出て人と会い、それ以外は本やブログなどの座学で十分に最低限必要な情報を学ぶことができます。
他にも有志で行われる勉強会に顔を出したり、不動産投資家・不動産投資会社のメルマガに登録しても良いでしょう。
ちなみに 知らない単語はググった方が早い!です。
不動産投資特有の専門用語は検索して調べるのが一番早いです。「表面利回りとは?」「イールドギャップとは?」「瑕疵担保責任とは?」など、気になる名称に「とは?」を付けて検索すればほぼ調べることができます。
決して物件を買えと言ってるわけではありません。物件を購入せずとも物件を見に行く・銀行に相談しに行く・銀行へ訪問する(融資の可否を確認・現場の勉強)、セミナーや勉強会へ訪問する(不動産投資の今を知る)、など実学を学ぶことは出来ます。
現場に行かなければわからなことが多いのが不動産投資。手厳しいようですが「本気なら動くでしょ?」ということです。
実学の勉強はやりながら覚えるしかありません。座学だけで終わらせず、必ず現場にも顔を出してください。
節税は言い換えると「節税になっている間は赤字」という状態です。よって節税対策=赤字垂れ流し、と言えます。
物件購入時など大きなお金が一時的に動くときは一時的に赤字になるので、結果として一時的に節税対策になるだけです。節税対策を前面に押してくる会社は=赤字になりやすい物件の提案、と言えるので対応を控えた方が良いです。
シミュレーションを元に『この期間は赤字になり節税機関となりますが、このあとからは収益が黒字収支になるので資産になる物件として活躍してくれます』ぐらい提案をしてこなければ該当物件を選ぶ意味はありません。
「総資産○千万円、〇億円になりました」などはよく見られますが資産は現金とは限りません。借金も資産です。
よって、『総資産○千万円になりました=それだけ借金あります』とも言えるため、資産が多い事例が豊富=成功するとは考えない方が良いです。
物件の種類によって目的が異なります。
新築なら長期目線でリタイア後の年金対策、中古なら中長期目線になるので本業以外の収入作りと一部年金対策(ボロ物件は中古物件の延長)、など物件の種類によって目指す目的への違いがあります。
ワンルーム(区分)は一部屋なので一棟とくらべて初期費用が押さえられる(月の家賃収入は少)。一棟はワンルームとくらべて初期費用が大きい。(月の家賃収入は大)
手持ちの資金や融資限度額によって取り扱える物件の規模が異なります。
ワンルームが良い・一棟が良いなど不動産投資家の間でも流派(?)が分かれますが、そんなことは気にする必要はなく、自分ができる範囲がどこからなのか?で考えるのが現実的です。
戸建ては一軒家、マンションとアパートは実は区別する厳密な定義がありません。
戸建てはファミリー層向けの物件であり、マンションやアパートは主に単身者向け。また、特に大きな違いとしては融資にあります。戸建てとアパートはマンションと比べて融資が受けにくいのが特徴です。
【物件の取引相場価格】であれば国土交通省が運営している「土地総合情報システム」で確認が可能です。
【家賃相場】であればSUUMOやホームズなど不動産ポータルで同条件の相場を調べて比較すると良いでしょう。
【新耐震基準の有無】は1981(昭和56)年6月1日以降に作られた物件が該当します。新耐震基準の物件を選んでください。
不動産投資において物件の入居率が低下すると家賃収入が減少します。
融資を受けながら不動産投資を行っていた場合、入居率が減ると家賃収入から返済対応をする際に返済原資が減少するため返済計画に影響する、もしくは返済自体が出来ずに赤字物件になってしまうリスクがあります。
【参考】現在の空室率
地域:空室率
東京:13.03%
神奈川:16.54%
埼玉:16.16%
千葉:16.81%
静岡:23.63%
愛知:14.94%
京都:12.73%
大阪:8.98%
兵庫:12.67%
福岡:10.18%
出典: 株式会社タス「賃貸住宅市場レポート 首都圏版 関西圏・中京圏・福岡県版 2019年9月」(PDF)
2019年9月時点での空室率は上記の通り。
入居率として考えると各地域の平均は東京86.97%、神奈川83.46%、埼玉83.84%といった計算になります。一見すると高い水準のように見えますが入居率を=家賃収入やローン返済額として考えたらどうでしょう?
想定の8割前後の家賃収入、想定の8割しかローン返済ができない(残り2割は自己負担・赤字)、とも言えます。
言い換えれば入居率をシビアに確認しなければ資金面において不動産投資に大きな負担が発生する原因となります。そのため、不動産投資を順調に続けるためにも高い入居率を維持できる物件・エリアを選定する必要があります。
1.新規の住宅供給が賃貸需要を上回る
相続税対策を目的とした新築の住宅供給が賃貸需要以上のペースで行われるため、入居者よりも物件の供給量が増えてしまいライバルが乱立するために入居率が下がります。
【補足】相続税対策で不動産投資が行われる理由
同じ資産1億円でも現金で保有するか、土地・建物として保有するかで相続税の評価額が大きく変わります。土地と建物を5000万円ずつに分けて購入した場合、おおよその計算になりますが現金は評価額1億円、土地・建物は評価額5160万円となり約半分の評価額となります。(それだけ節税が効くので不動産物件が市場に増えてしまう)
2.設定した家賃が相場よりも高い
物件を購入したエリアの家賃相場と比べ、地震が設定している家賃が高いと入居されにくくなるために入居率が下がります。(同じような立地条件、設備、築年数であれば入居者は家賃が安いほうを選びます。)
3.物件が汚い・古い
物件が汚い・古いと部屋・建物の印象が悪くなるため、入居者に選んでもらえません。住宅は第一印象が特に重要とされており、内覧時に良い印象を与えなければ家賃を安く設定しても選んでもらえません。
●業者に委託する場合は客付けの上手な会社に依頼しましょう。
入居率を高く維持し続ける不動産投資を行うには客付けの上手な会社に依頼しましょう。積極的な取り組みやオーナーへの情報提供をこまめにしてくれる不動産会社はその傾向にあります。
また、不動産業者も人間です。関係性が良好だと入居率対策への頑張りにも影響します。連絡をこまめに取る、小さなことでクレームを入れないといった基本的なマナーを守るだけでも十分ですので業者づきあいは大切にしましょう。
●DIYの場合の場合
(1)人気のある間取りや設備にしましょう。
入居率の高い物件は人気のある間取りや設備の有無が影響します。物件を選ぶ地域の需要を考慮してニーズに合わせたリフォームやリノベーションも検討してください。
ワンポイントとして、安心して暮らせる住環境として女性の需要が高い地域ではオートロック機能や防犯カメラ設備が充実していると選ばれやすいです。また、日用品の購入時はネットを利用することが多い単身世帯の需要が高い地域では宅配ボックスが設置されている物件を選ぶと入居率を上げられます。他にも追い炊きや浴室乾燥機、24時間ゴミ捨て可能といった設備も人気物件の特徴です。
(2)入居者サービスの追加
他と差別化を図るために「Wi-FI」や「TVモニターフォン付きインターフォン」「家具家電を備え付ける」など他の物件には無い独自の入居者サービスを追加することも検討してください。他にも、入居者にとって負担の大きい初期費用の「敷金・礼金ゼロ」「フリーレント期間を設置」といったサービスも入居率アップに効果的です。
(1)利便性の高い物件を選ぶ
利便性の高さは入居率に大きく影響します。特に交通面では駅から徒歩5分以内、最寄り駅が主要な駅、という場合は入居率を高い推移で維持できます。
近くにコンビニやスーパーがある、病院が近いといった周辺にある設備も入居者が注目して選ぶポイント。詳しくは「家賃収入で失敗する人の事例から見る、事前に抑えるべき8つの対策」もあわせてご参照ください。
(2)相場を踏まえた適切な家賃設定
家賃設定を高くすればその分、賃貸収入は増えますが周辺の家賃相場よりも高ければ入居率に影響を及ぼすので、周辺相場を確認して適切な家賃設定にする必要があります。
相場の確認については【HOME’S】【SUUMO】【アットホーム】などの物件ポータルサイトが参考になります。複数のサイトで確認して共通する相場観を割り出しましょう。
(3)リフォーム
汚い部屋・古い部屋は入居率を上げるためにもリフォームにとって清潔感を出してください。特に台所、お風呂、トイレが汚れていると入居者から選ばれません。
共用部・専用部を清潔に保つことを意識している管理会社かどうか?も入居率に影響します。ワックスをかけてフローリングを磨く、明るい照明を設置して清潔感を演出、なども重要です。
●入居率の計算方法
入居率は「入居部屋数÷全体の部屋数×100」で求めることができます。
物件を選ぶ指標となる利回り(表面利回り)は入居者が満室で入っていることを仮定して算出しているため、もし入居率が100%から80%になってしまうと想定していた家賃収入は大きく下回ります。利回りだけで物件を選ぶことなく入居率は事前に確認しておきましょう。
●空室率の計算方法
【戸数ベースの場合】
(例)全部で21戸、空室が4戸の場合の計算方法。
・4室÷21室=19%(空室率)
【床面積ベースの場合】
(例)100㎡の部屋と50㎡の部屋の場合の計算方法。
・250㎡÷1200㎡=21%(空室率)
【賃料ベースの場合】
(例)4棟(全24部屋)のうち最上階の賃料が12万円、その他の部屋が10万円。10万円の部屋の空室が4部屋だった場合の計算方法。
・40万円(空室の賃料)÷256万円(満室時の賃料)=16%(空室率)
入居率や空室の計算方法は管理会社により異なるので注意!
入居率は管理会社が公表している場合でも、1ヶ月間の空室が続いた部屋・入居者が退去してから1ヶ月経過してから空室とカウント・1年間で入居率が高い時期の数値を表示、など管理会社によって様々。
入居や空室の定義が異なると家賃収入に影響します。必ず事前に各社の空室カウントの定義を確認しておきましょう。
空室の定義はかなり重要だとお考え下さい。そのため、必ず事前に「御社の言う入居率はどういった計算で算出されてますか?」と確認を取ってください。
1.物件を所有するリスク
・金利変動|ローン返済に影響
・物価下落
・借り入れ|ローン返済に影響
2.市場リスク
・不動産投資市場の今後|家賃収入に影響
・人口減少|家賃収入に影響
3.運用リスク
・空室|家賃収入に影響
・滞納|家賃収入に影響
・修繕|家賃収入とローン返済に影響
・家賃下落|家賃収入に影響
・災害|家賃収入とローン返済に影響
・管理会社の倒産|家賃収入に影響
不動産投資に限らず投資全般としてリスクを完全に0にすることはできません。いかにして事前にリスクの影響度を下げる対策を行うか?が不動産投資の安全性・成功率に影響します。
●金利変動への対策
不動産業者の提携金融機関の数を事前に調べてください。提携先金融機関が多いほど金利を少しでも下げることができる金融機関に繋がる可能性が上がります。
現在の日本は史上空前の低金利ですが、いつ金利政策が変わるかは誰にも予測することはできません。不動産投資会社に提携先以外にも自分でも定期的に金融機関を回り、少しでも低金利になる金融機関を探しておきましょう
●物件価格の下落への対策
立地の良し悪しが物件価格の下落に影響します。「長期に渡って賃貸需要の有る地域(東京23区内)」「駅から徒歩7分以内(最長10分以内)」「ターミナル駅まで近い(直通が理想)」は押さえましょう。
また、物件自体の構造として「オートロック完備」「バス・トイレ別」「分譲タイプの鉄筋コンクリート造のマンション」も押さえておくと更に良いです。
●借り入れへの対策
ローンを活用して不動産購入した場合、10年以内に資産に占める借入割合を40%になるような金額で借り入れてください。借入額が多いほど借金リスクが上がります。借り入れ割合が過剰になり過ぎないことが安全な不動産投資に繋がります。
●不動産投資市場の今後に対してはどう考えれば良い?
賃貸需要が見込めるエリアに特化することが今後の不動産投資で生き抜く条件。具体的には東京23区内、駅から徒歩7分圏内を中心に物件を選びましょう。詳しくは「 不動産投資の未来はどうなる?これから始める方が抑えるべき6つの要点 」をご参照ください。
●人口減少への対策
日本の人口は減少するため全体として見れば賃貸需要も落ちます。そのため、「東京を中心に、需要の有るエリアを厳選する」「外国人住居者も検討に入れる」などの対策が必要です。
確率論で考えると地方よりも都心で不動産投資がおすすめ。
大学の移転に伴う学生の増加、留学生の増加などを理由に東京は2025年まで人口(特に単身者)の増加が見込まれていますので、それだけ賃貸需要の増加も期待できます。( 参考:平成27年国勢調査 )
地方が必ずしも投資対象にならないわけではありませんが、東京に絞った方が空室になりにくいので投資としてリターンが期待できます。
●空室への対策
・立地(東京23区内の駅から徒歩7分以内 ※最長で10分)
・部屋の内容(ボロボロすぎない、デザインが古すぎない、バス・トイレ別)
・賃貸管理会社の集客力(入居率95%以上)
以上を抑えた物件を選びましょう。
●滞納への対策
滞納は時間の経過とともに回収が困難になるので「即行動」で対応してください。どうしても困難な場合は専門家(改修ノウハウの有る賃貸管理会社)に任せてください。「滞納保証」までしてくれる管理会社であれば尚良しです。
●修繕への対策
修繕はオーナー負担となるため、家賃収入の一部を修繕積立金に集めておきましょう。家賃収入のすべてが自分の収入になるわけではありません。
●家賃下落への対策
値下がり幅が一番少ない築10年ごろの中古マンションを選びましょう。家賃の下落は築年数・物件価格・立地条件の3点が加味されます。中でも築年数が最も影響し、特に新築マンションは買った瞬間から中古になるので価値が大きく下がります。よって、下がり幅が落ち着く築10年ごろの中古マンションがねらい目です。
●災害への対策
地震によるの倒壊、火災による全焼はマンションそのものが無くなる可能性があります。保険に加入はできますが全額保証されるわけではありません。
【地震対策の場合】
1981年(昭和56年)以降に作られた新耐震基準の物件を選びましょう。
参考:Ⅰ 住宅・建築物の耐震化に関する現状と課題 ? 国土交通省
【火災対策の場合】
木造ではなく鉄筋コンクリート造のマンションを選びましょう。鉄筋コンクリート造のマンションなら全焼しても数ヶ月で元に戻せます。
また、未然に火災を防ぐためにも延焼が広がりやすい木造密集エリアを避け、火災事故が起こった際に緊急車両が入れる道路幅があるエリアを選びましょう。
アパート経営の不動産投資は特に注意!特に木造アパートは延焼被害によって1戸だけでなく周りにも影響が出るリスクがあります。各自治体ではエリアごとの火災危険度ランクマップを作成しているので参考にしながら火災危険度の高いエリアは避けましょう。
参考:火災危険度ランクマップ|東京都市整備局
ワンルームマンション投資が悪いわけではありません。一棟マンションと比べれば得られる利幅は少ないものの、初期投資額は少なく始めやすい・副収入・年金のプラスαを作って無理のない老後の生活をしたい、などが目的なら適しています。
良いに越したことはありませんが、そもそも場所や物件、利回りの良い悪いはその人の目的によります。自分の目的に沿ったキャッシュフローが見込めるならそれが正解です。
売却せずに持ち続けるのも選択肢となるため、売却が出来ないから必ずしも悪いとは言えません。
不動産投資は最低でも20~30冊(人によっては100冊以上)本を読むところから始めようと言われます。その中の最初の一冊目におすすめの入門書が「不動産投資1年目の教科書」。
実際に寄せられた質問の中から初心者にピッタリの質問と返答をQA方式で伝えているので理解しやすいです。
1社だけでは情報に偏りが出るため、中古・新築・アパートなど物件の種類ごとに強みを持った各会社のセミナーに参加しましょう。
初心者が最初に参加しておくべきセミナーに関して詳しくは「東京でおすすめの不動産投資セミナー厳選3選|ココだけ抑えればOK!」をご参考になさってください。
成功体験談以上に失敗体験談も公開しているブログがおすすめ。詳しくは「不動産投資の失敗がわかるブログ~初心者向けの体験談まで【特集】」で体験談ブログの例をまとめているのでご参考になさってください。
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