サラリーマン不動産投資家として初めての白色確定申告。
どんな書類を提出すべきか?白色申告と青色申告の違いは?経費対象は?提出期限は?確定申告しないとどんな罰則があるのか?など。
初めての確定申告で不安に感じる方へ向けて、「不動産投資の確定申告を白色申告で行うやり方」についてお伝えします。
・不動産所得が年間20万円以上なら確定申告が必要。
(20万円未満なら不要)
・記述方法がわからない方は税務署に持ち込んで
記述方法を教えてもらうことも可能
・申告漏れはいずれ必ずバレる
不動産投資の確定申告を白色申告で行う方法
- 必要書類
- 白色申告の保存期限
- 白色で確定申告する方法
- 提出方法
- 2020年の確定申告の提出期間
初めて確定申告を行う方が押さえておきたいのがこれらの項目です。
1.必要書類
白色申告に必要な書類は「確定申告書B」「収支内訳書」。それぞれ税務署か国税庁のホームページからダウンロード可能です。
国税局
各種控除関係の書類
保険関係の証明書 |
保険会社から送付されます。 |
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 |
住宅ローン控除のときに必要。税務署でもらえます。(参考資料) |
住民票の写し |
市町村役場でもらえます。 |
建物・土地の登記事項証明書 |
法務局でもらえます。(参考ページ) |
建物・土地の不動産売買契約書の写し |
法務局でもらえます。(参考資料) |
残高証明書 |
住宅ローンの残高を証明するために必要。金融機関から送付されます。 |
2.白色申告の保存期限
収入金額や必要経費を記入する帳簿が7年間、その他の帳簿や領収書、請求書などは5年間です。
3.白色で確定申告する方法
日々の帳簿付けからその帳簿をもとに確定申告書Bと収支内訳書を作成します。
確定申告書Bの場合
事業者の住所や氏名、収入金額・所得・税金の内訳などを記入します。内訳は細かくあるので各項目に1年間の合計金額、最後に合算した金額を記入して作成します。
収支内訳書 不動産所得用の場合
収支内訳書の作成では売上金額や仕入れ金額、差引金額、修繕費、通信費、給料賃金などを記入します。
また、確定申告書は帳簿から転記する部分が多いので、内訳の記入から始めると効率よく白色申告を作成できます。
帳簿に記帳する必須項目
- 取引年月日
- 入金の内容(売上金、掛け売上など)
- 出金の内容(仕入れ、経費など)
- 入出金に関する取引先
記帳に使用する帳簿は取引の日付、取引先、入金・出金の金額、各必要経費が記帳されていれば書式は自由。経費の項目は収支内訳書と同じ区分にしておくと後で書き写すのが楽です。
決算は年度末に1回「棚卸表の作成」と「減価償却費の計算」を行います。
棚卸しは12月31日に行うのが原則ですが、年内の業務最終日や入出金がないときに行うこともできます。減価償却費も1年間をまとめて計算します。減価償却費は建物の耐用年数から築年数を引いた年数と購入価格に応じて減価償却費が決まります。
法定耐用年数22年(木造建物)-築年数12年=10年
600万円-10年=60万円
購入価格600万円を小分けにして毎年60万円ずつ減価されます。
この例では毎年60万円が減価償却費で経費として計上できます。
4.提出方法
- 税務署に直接書類を持ち込む
- 郵送
- e-Taxでネットから申告
税務署に直接持ち込むor郵送が一般的。書き方がわからない方・はじめての方は直接税務署に持ち込んで記述方法を質問しながら提出すると良いでしょう。書類の記載方法が問題なければe-Taxが便利です。
参考:【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
5.2020年の確定申告の提出期間
基本的に確定申告の期間は毎年2月16日~3月15日まで。(2019年の際は2月18日(月)~3月15日(金)でした。)期間内に年間の(2019年に提出するなら2018年1年間分の会計結果が該当)を税務署へ報告(確定申告)しましょう。
不動産所得への経費対象
租税公課 | 固定資産税や都市計画税など土地や建物に課せられる税金が経費として計上できます。 |
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委託管理費 | 建物の維持管理や内装工事にかかる費用は経費になります。建物の資産価値を上げる工事費は固定資産税の対象になります。 |
減価償却費 | 建物の購入価格を耐用年数に応じた費用を経費として計上できることを認められています。 |
損害保険料 | 所有している不動産に対して地震・火災保険に加入している場合の保険料を経費に計上できます。 |
交通費 | 物件の視察や不動産投資セミナーの参加など事業用にかかった交通費用は経費の対象になります。 |
電話やネットの費用 | 事業用として使用した電話やネットの費用は通信費として経費に計上できます。専用の電話番号とメールアドレスを取得しておきましょう。 |
文房具費 | 事業用に使ったボールペンやノートなどの消耗品費として経費に入ります。 |
委託管理費 | 所有物件の賃貸管理を業者に委託して手数料を支払っている場合、委託管理費という経費で計上できます。 |
ローンの利息 | 物件を購入する際に金融機関から借入した支払利息は経費になります。 |
新聞、本の購読費 | 不動産投資の勉強のための新聞や本の購読にかかる費用は経費の対象です。 |
取引先との接待費 | 不動産投資に関わる取引先との接待にかかる費用は経費に計上できます。 |
商品の発送に関わる梱包品・運送費 | 商品の荷造りに使用したダンボールやガムテームなどは梱包品、発送時の運送費は経費に入ります。 |
白色申告者の事業専従者控除 | 以下の2つのうち低い金額を条件として経費に計上できます。 1.事業専従者が事業主の配偶者の場合は86万円、その他の親族の場合は一人につき50万円 2.事業専従者控除する以前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額 白色申告の事業専従者控除を受けるためには以下の条件に該当する場合です。 a.白色申告者の経営する事業に専業専従者がいること。 ・白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。 b.確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載すること。 事業専従者控除についての青色申告との違いは「専従者給与の上限がない」「青色事業専従者給与に関する届出書を事前に提出しないといけない」の2点。 白色申告の専従者控除については事前に申請を出しておく必要はありませんし、確定申告書には算出した控除額を記入して提出すれば問題ありません。 |
経費はどこまで計上して良いのか?
白色申告で経費対象になるのは事業用だけです。必ず私用とは分けておきましょう。
不動産所得を確定申告しないとどうなる?
確定申告をしないと最終的には税務署にバレます。バレた場合、過去3~5年ほど遡って税金を納める義務があり、且つ罰金も支払わないといけません。また、支払い時は現金ですぐに支払う必要があります。
そのため、不動産所得が発生したら必ず確定申告を行ってください。
年間20万円以下なら確定申告は不要
サラリーマン・OLの方々の場合、家賃収入による副収入(給与以外の所得の合計)が年間20万円を超えなければ確定申告をしなくても問題ありません。
「年間で20万円を超える収入がある場合は必ず確定申告をする」
と覚えておきましょう。
マンション投資における白色申告と青色申告の違い
- 開業届が要らない
- 控除額
- 控除対象
白色申告特有の特徴としては上記3点となります。
1.開業届が要らない
白色申告は青色申告と違い税務署に事前申請(開業届)する必要がありません。また、白色申告も青色申告と同じように帳簿をつけて保管するといった作業は必要ですが 、面倒な複式簿記にする必要がないので簡単に書類が作成できます。
2.控除額
白色申告の控除額は最大38万円、青色申告の控除額は最大65万円と控除額の上限が異なります。
3.控除対象
白色申告は青色申告に比べて適用される控除対象が少ないため、専従者への給与の全額を経費にできないだけでなく赤字の繰り越しもできません。
不動産投資の場合、青色申告にする目安としては5棟、あるいは10室を所有してからとされています。
不動産投資の青色申告について質問です。
このたび、ようやく5棟10室基準に届きましたので、事業的規模の青色申告をしたいと思ってます。
青色申告するためには、事前に申請しなければならないと聞きました。1、申請にはどのような書類が必要ですか?申請書類はダウンロードできますか?
2、いつまでに申請しなければならないですか?
3、申請の時に料金は発生しますか?
4、いつもはサラリーマンなので、平日に税務署行くのが難しいですが、郵送などでも提出できますか?
5、その他注意事項あったら教えてください。
Yahoo!知恵袋
サラリーマン大家が確定申告で赤字計上した場合
節税・還付金
確定申告で不動産投資とサラリーマンの収入に損益通算を行えば所得税と住民税を還付の受けることもできます。
不動産投資で得た家賃収入は総合課税の対象になるので本業の給与所得との合計額が課税対象になります。
ですが、不動産投資の経費は1つ1つが大きい額になることが多いので、本業の給与所得との合計で考えてもマイナスとして計上できます。
(例)
本業の給与:900万円
家賃収入:100万円
マンション購入費用:2500万円
↓
(900+100)-2500=-1500万円
まとめ
確定申告は普段不慣れな方が多いため「めんどくさい」と感じてしまいやすいもの納税は義務です。
後で罰則を受けないよう、最初は手間でも確定申告の手順を覚えて、必ず確定申告を期限内に済ませてくださいね。