この記事を一読すれば「中古マンションの購入が節税として意味があるのか?」が理解できます。

本記事では中古マンションを検討する方に向け「中古マンションでの節税の良し悪し」「中古マンションの本来の目的と後で失敗しないための考え方」について解説します。

中古マンションでの節税対策は可能

中古マンションに限らず不動産投資は一時的には所得税の節税効果が見込めます。

所得税の節税対策

不動産所得は、総収入金額から経費を差し引いた金額で計算します。他の所得がある場合、その所得と合算して所得税の課税対象となる金額を算出します。不動産所得を計算する際、経費として、減価償却費、管理費や修繕積立金、ローンの利息などを差し引くことができます。

経費として計上できる項目
  • 管理費(清掃や点検、管理組合のサポートに掛かるお金)
  • 修繕積立金
  • 賃貸管理代行手数料
  • 修繕費(退去時の修理やメンテナンスに掛かるお金)
  • 損害保険料(火災保険料・地震保険料)
  • 租税公課
  • 借入利子減価償却費
  • 建物、建物附属設備、器具備品などの減価償却資産の減価償却費

などがあります。

経費が総収入を上回る場合、不動産所得はマイナスで計上します。

このマイナスは、他の所得での利益と相殺することができるため、トータルすると課税対象となる所得を減らすことができ、結果として節税につながります。

相続税の節税対策になる

相続税の節税としても不動産投資を活用する人がいます。

金融資産は、額面の100%の額が相続資産として評価されます。一方で不動産は60%から80%で評価されます。

つまり、資産は現金で持っているより不動産で持っているほうが、2割から4割引きで評価してもらるため、その分支払う相続税も少なくできるという節税方法です。

青色申告で確定申告をする

青色申告で確定申告をすると、白色申告にはない、「青色申告特別控除」という控除を受けることができます。

これにより、白色申告より控除額が増えるため、白色申告に比べ節税できるのです。

中古マンション購入時の収支を青色申告することで更なる節税対策になります。

節税目的としての意味合いは弱いことに注意!

中古マンションに限らず不動産投資による節税効果は数年続くに過ぎません。そもそも、節税の仕組みは、家賃収入から経費を差し引いた金額が赤字の場合に、はじめて税金の還付が受けられるのです。

したがって、借入金の返済に伴なう支払利息や減価償却費の計上額の減少により、経費が年々少なくなりますので、いずれ黒字転換し、税の還付から納税へと転じるのです。

減価償却の観点から考える

中古マンションの場合は原則として、その建物の使用可能期間を見積もることによって耐用年数を決めます。しかし、その建物があと何年使えるかを正確に見積もることは難しいため、簡単に算出する「簡便法」という方法が用いられます。

簡便法による計算には、築年数が耐用年数を超えている場合と、そうでない場合とで2つの方法があります。

築年数が耐用年数を超えている場合

耐用年数=法定耐用年数×20%

築年数が耐用年数を超えている場合は、法定耐用年数の20%を耐用年数として設定するため、たとえば木造住宅であれば「22年×20%=4年」となります。

築年数が耐用年数を超えていない場合

耐用年数=(耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

築年数が耐用年数未満の場合、法定耐用年数から築年数を引き、それに築年数の20%を足して算出します。たとえば、築20年のRC造の建物であれば「(47年-20年)20年×20%=31年」となります。

このように中古マンションでは築年数が古く、耐用年数を超えている物件の場合、減価償却による節税効果をあまり受けられないことが分かります。

不動産売却時における譲渡税の観点から考える

減価償却費は毎年の経費として計上できるものの、売却時に納める税金が高くなる可能性がある。

新築マンションのほうが、減価償却費が多く出せる分、売却時の譲渡税が高くなるという印象を受けるかもしれません。

しかし、実際は中古マンションのほうが短期間で減価償却をしていくので、中古マンションのほうが譲渡税は多くかかってしまいます。

節税対策だけで考えるなら新築の方が意味がある

節税を考えるのであれば、中古マンションよりも新築マンションのほうがお得です。

家賃収入を上げることが不動産投資の本来の目的

いくら節税になるからといって、行き過ぎた対策は損を生むだけで、オーナー様にとって何の利益にもなりません。マンション経営本来の目的はやはり家賃収入の道を確保し、人生を豊かにすることです。節税効果を除外しても、ビジネスとして成立するのがやはりマンション経営があるべき健全な姿なのです。

節税対策を中心に考えるのは本末転倒

マンション投資をして所得税などの還付を受けて節税できたということは、不動産投資で支出のほうが大きく、マイナスになってしまったから税金が返って来ているということなのです。「税金を払いたくないから、利益を出さない」というのでは、いささか本末転倒になってしまいます。

不動産投資本来の目的である家賃収入を第一に考えてるならOK

不動産投資本来の目的である家賃収入を第一に考えており、その一環として一時的な節税対策も享受する、という考え方なら中古マンション投資での節税も意味があります。

ただ単純に節税対策、というだけでは意味がない、ということです。

まとめ

不動産会社のセールスマンの中には、「不動産投資が節税につながる」と謳って、割高な物件を買わせようとする人もいます。

確かに不動産投資で他の所得を節税することはできますが、不動産所得を赤字にすることが前提になってしまうため、不動産投資の本当のうま味を享受することができません。

せっかく不動産投資をするのであれば、しっかりと利益を出すようにしましょう。

マンション投資で黒字が生じているということは、それだけ投資が順調に進んでいるということで、本来喜ばしいことです。不動産投資の目的は、長期的・安定的に収益を得ることにあります。不動産投資を節税目的だけで保有することはもったいない!投資をするなら利益を残すことを目的に運用しましょう。